2020 8.30 Sun

コロナ禍の副産物シリーズPart② 新名物「炙り金目重」誕生【きっかけ編】

いつも伊東小涌園をご愛顧賜りまして、誠にありがとうございます。

依然として、コロナ禍は続き皆様も大変、ご心労されていることかと思います。

当館ではコロナ禍の副産物である伊東小涌園の8月よりご宿泊プランの販売に至り、大好評を得ている

朝食新名物「炙り金目重」がどのように誕生を迎えたか、大げさですが、全2回に渡りお伝えさせて頂きます。

今回は発案から誕生に至るまでのきっかけ編をご紹介いたします。

~「新しい宿泊様式」への取り組み~

皆様がご存じの通りコロナ禍で生まれた「新しい生活様式」と共に生活を始められていると存じます。また我々、宿泊業や飲食業を中心に業界の経済もリーマンショックを超える前代未聞の事態となり、その中でお客様をお迎えするにあたり、我々を含む様々な施設様が出来る限りの知恵と知識を絞り出し「安心・安全」を最優先とした「新しい宿泊様式」を緊急で策定し営業をさせて頂くことが必須であり必然となりました。

~「3密回避」と「ソーシャルディスタンス」~

当館は癒しと寛ぎを提供する場所として、皆様のおかげでここまで運営させて頂きました。「とある1日」・「とある1つの場所」でさまざまな思い出を提供し皆様の心のバイタリティを注ぐことが我々の使命でもあることは変わりません。しかしこの禍では人との距離や共存といったある意味、滞在の楽しみ方や考え方を新たに見直すことが求められることが必須になりました。「人数を制限」「人との距離1~2m」等、安全・安心を第一優先とは言え、どこか歯痒い対応が求められ、接客を売る我々にとって違和感を抱えながら業務にあたる事は必然、以前は良しとされていたサービススタイルも認知が変わってきてしまいました。(現在、制限の厳しいエンターテインメント業界の皆様は更に厳しい心中なのかなとも感じております)

~今までの常識は通用しないが、新しいサービスを生み出す力は従来持っている~

コロナ禍で施設を改装し対策を講じることが出来れば、新しい生活様式は網羅できるのかもしれません。しかしそれは今は非現実的なのが事実です。ではそれを抜きにして変えられることは「新しいサービス」を生み出す事だと結論に至りました。よく考えれば基本的なお話しなのですが、宿泊業は【さまざまな需要に対して可能な限りお応えする】ある意味、万能な事を日々繰り返しております。でもそれは先代からの知恵・知識・経験が積み重なり常識となってきたことでもあります。それを我々も日々、継続的に行って皆様に提供する、といった思考は従来もっていることを改めて振り返る良い機会だったのだと今となれば思っています。

~今までの常軌を外す考えと形にする勇気~

前座が長くなって申し訳ありません。

「炙り金目重」を語る上でここまでのお話をスタッフ皆で腹落ちしさせ、考えを精査する事が出来たから誕生した重要な要素だったのです。

当館のレストランは1店舗しかありません。この騒ぎの以前でも繁忙期には満室ゲストをギリギリでご案内できる程度の決して広くない店舗を3密回避を念頭しながら今まで通り運営すれば矛盾した経営となります。大きな問題でした。普段10割ギリギリ運営の店舗とすると対策を加味して7割が許容範囲の試算となり残り3割をどのように宿泊形態から受け入れするか、死活問題にまで膨れ上がり、当時は頭を悩ませていました。

リゾート旅館は概ね1泊2食付き販売が経営も運営も軸となって運営しているのが一般的で、食事を提供できないという条件はとても大きな問題の一つです。今まで対応できていたことがこれを機に物理的に不可能となったわけです。

さて、どうしたものか・・・でもチャンスも来ているのでは・・さまざまな思いがスタッフの中で渦巻きます。。

今回はここまで「炙り金目重」を考案するきっかけをご紹介しました。

次回は【炙り金目重 制作プロジェクト発足!!から副産物誕生まで】をご紹介します。